私はときどき嘘を言う それが嘘だと知っているあなたには永遠に気付かないふりをしていて欲しい
さようならを言い間違えた 間違えたことを悔いる必要などなく あなたはただ知るだけで良い 過ちの全てについて
飛べない癖に飛びたがる 翼があるのに飛べぬと嘆き 翼がないのに飛べるという
奇跡はとっくに匙をなげた 本当は奇跡なんて信じていなかった 当然のように生きているふりをしているだけ
明日は雨が降るらしい 晴れの日よりも雨の日の方が好きなので ただそれだけの理由だった
アルカディアを越えて 一番欲しかった言葉はついぞもたらされなかったので
最後の日、貴方はまだ呼吸をしているか どうか最期は静かに優しく屍を暴いてくださいますように
灰の燻る匂いがこびり付いている 外では雪が積もり 私の周りには灰が積もる