※一部、シンドバッドの冒険のネタバレがありますので未読の方はご注意ください。


















 その日、少女は海を眺めていた。
 その前の日も、さらにその前の日も、気が付けばいつもその場所にいる。
 誰に話しかけるわけでもなく、一人事を呟くわけでもなく、淡々と、海を眺めている。
 少女の座る場所は定位置で、日中は背後の樹木が影になり涼しげであるが、少し太陽が歩みを進めると、たちまち少女の頭から爪先までをじりじりと照らした。それでも少女はその場所から動くことなく、じっと座っている。時々村の子供達がやってきて、そんな少女を不躾に見ていることがあったとしても、少女がその輪に加わることはなかった。
 村の子供達は生活を支える為に、ついに舟が一隻もなくなった海に潜り、小魚や貝を捕ったりしていたが、その少女が海に近付くところを一度も見たものはいない。
 何か面白いものでも見ているのだろうか、ある一人の子供がその視線を追って、その先を同じように眺めてみたが、そこに広がるのは何時もと変わりのない海ばかりである。
 その内に一人の子供が気味が悪い、と言い、それに異論を唱える者がいなかったので、その日以降、少女を気に掛ける者はいなくなった。
 そんな些細な出来事があったとしても、少女の毎日のサイクルが乱れることはなく、穏やかに日々は過ぎていく。そんな少女の日常を壊したのは些細な切欠だった。

「初めまして」

 突如として視界が陰り、眩しそうに見上げた少女の目の前には、同じ年頃の少年が立っている。握り拳がふたつ、指が白くなるまでしっかりと意志をもって握り込められ、まるで殴り込みにでもきたかのような剣幕で見下ろしていたので、少女は何事かと目を見張った。
 そのまま固まってしまった少年を怪訝に思いながら、確かに篭もった意志の強い視線がいつまで経っても自分を射抜くことに居心地の悪さを覚え、最初に少年がしたように、初めまして、と小さく返すと、途端に怒っていた少年の肩が下がり、大きな溜息が漏れた。
「君はだろう?」
 子供特有の高い声は、どこか心地よく、懐かしく聞こえた。少女は忙しなく瞬きを繰り返し、どうして初めまして、と言ったはずの少年が自分の名前を知っているのかについて考えた。
?」
 返事を返さない少女に痺れを切らした少年は、もう一度、今度は語尾を強めて呼んだので、少女は驚き飛び上がるように頷いた。どうして怒っているのだろう。
「そ、そう。でも、どうして?」
「隣、座ってもいい?」 
 否、とは言えずに恐る恐る頷いたのすぐ横に少年は腰を下ろし、少女は僅かに眉を顰めた。剣呑な空気を引っ込めた子供は、真っ直ぐ正面を向きながら、ちらりと視線だけ忙しなく少女に向けて落ち着かない様子をしている。
「毎日ここで何してるの」
「海を見ているよ」
「海が好きなの?」
「うん、好き」
 好きだけど、好きだから見てるのとは少し違う、と思いながら、それを告げることなく、は海を視界に入れた。そうすると、どうして横に見知らぬ少年が座っているのか、まったく気にならないような気がした。いつ見ても変わらない海は、変わりたくなかったの気持ちを酌み取っているのだと思う。
 靴を脱いで裸足になった両足は、意図的に砂の中に埋められ、陽の光を吸い込んだ砂の中は汗が噴き出る蒸し暑さだった。少し指を動かすだけで、砂の山がぱらぱらと震動して崩れていく。そんな動作をしていると、足下に視線を感じる。横を向くと、案の定、少年はの足下を見て、何をしているのか、と問いた気である。
「わたし、海に入れないから、海に潜るかわりにこうやって砂に潜っているんだ」
 それは何か意味のあることなのか、と言われれば意味はない。
 遠くの方で数人の子供達が楽しそうに海に潜る姿を視界の端に捉えて、それは気持ちが良さそうだ、と思う。砂に潜るよりよっぽど意味のあることだ。は意味のないことを繰り返すことしか出来ないというのに。
「泳げないの?」
「違う、泳がないの。お母さんが、風邪をひいてしまうから入ってはだめっていうから」
「ふうん」
 それっきり沈黙してしまった少年の横で、は再び足を地上に出してそのまま投げ出して、流れる雲の数を数える。隣に人がいるだけで調子が狂うはずなのに、何時も通りのように思えるのは何故だろう。どうして少年は、わざわざ自分に声をかけたのだろう。
「…僕の名前はシンドバッド」
 シンドバッド、頭の中で何度か繰り返し、は首を傾げた。この場合、自分は名乗る必要があるだろうか。最初にシンドバッドには名前を呼ばれているはずだけれど。
「うん、わたしは
「うん」
 知っているね。シンドバッドがはにかんで笑った。は同年代の子供とこうして面と向かって会話をしたのが初めてであることに気が付き、ぎこちない笑みでそれに応えると、シンドバッドは目を丸くして少女を見た。
「あのさ、はここで、誰かを待っているでしょ」
 自分には都合の悪いことがあると、膝を抱えて丸くなる癖があるとを教えてくれた人がいた。
 一瞬、その人物が脳裏に浮かんだが、すぐに何事もなかったように掻き消して、は抱えた膝の上に顎を乗せて俯いた。
「別に、待っているわけじゃあない」
 待っていないわけでもないけれど。足の指を擦り合わせると、ぱらぱらと砂が零れていく。風が舞うと砂が踊って目に入り込むので目を閉じなければいけない。風の音に混ざって波の音がする。けれども隣から聞こえてくる誰かの鼓動は、待ちわびた人のものではない。
「僕、父ちゃんに頼まれててさ」
 知らない少年の声は、気が狂いそうなくらいに耳によく馴染んだ。
「きっと、ここにっていう女の子がいる筈だからって」
 は少年の言葉を冷静に聞いた。予感が現実に変わるだけだ、と考え、冷静な筈の心臓が疾走を始める。予感はいつから芽生えたものであったか、終止符を打ってほしいと思いながら、現実と結びたくない矛盾した気持ちに苦しんだ。
 シンドバッド。聞いたことのある名前だった。その名を口にする度に、幸せそうに顔を綻ばせる人がいた。

「伝えて欲しいって言われたんだ。
 もう、ここには来られないって」

 シンドバッドは躊躇いがちに、どうにかして言葉を吐き出すと、隣の少女は身動きひとつせずに、淡々とその言葉を受け入れた。
 ガラス玉のような目をした少女だと思った。
 父親に伝えられた通りの場所に来ると、所在なく座っている少女がいて、聞いていたという女の子に間違いないと直ぐに分かった。何度も聞かされていた、想像通りの、真っ白な印象の薄い子供だった。直ぐに声を掛けるはずだったのに、気が付くと何日も見ているだけしかできない日々が続いた。ぼんやりとそこに佇む少女は海を眺めている癖に、一度も海に近付かない。眺めているばかりで、一体何が楽しいのか、活発な少年には少しも理解できなかったが、横顔が寂しそうに陰っているところを見ると、声をかけることが憚られた。父親に託されたことは、きっと少女を哀しませる、という確信があれば尚更、近付くことを躊躇った。
 ようやく意を決して声をかければ、拍子抜けするくらいにあっさりと、少女はシンドバッドを認識し、近付くことを許した。不思議な感覚だった。父親から聞かされていた、人見知りをするけれど実は人懐っこく、穏やかな性格のという少女が、直ぐ自分の横にいる。彼女が待ち望んだ父の代わりに。
「…君の事、バドルおじさんからよくきいてた。じまんのむすこだって」
「え?」
「いつも、おじさんは君のはなしばかりしていたよ」
「…僕も、父ちゃんからいつものはなしばかりきかされてた。どういう子だろうって、ずっと思っていたんだ」
「わたしたち、まったくはじめて会う気がしないね」
「ほんとだ」
 二人は顔を見合わせて笑い、お互いの気持ちが共有できるような気になって、笑顔を止めた。
 シンドバッドの笑顔は、バドルのものと良く似ていたし、の笑顔はバドルが話していた通りに可愛らしかった。
 笑いを止めた途端に、急速に冷えていく。心臓から始まって、足の先まで容赦なく体温が抜け落ちていくのをは他人事のように感じた。今頃になって気付かされるのは、自分が少しも冷静ではなかったということだ。もう何ヶ月も前からとっくに冷静を欠いていたということだ。
「バドルおじさんは…」
「数ヶ月前に戦争に連れていかれたんだ」
 ああ。言葉らしい言葉は出てこなかった。なんとなく、気が付いていた。
 の両親は、世間で起こっている一切のことを教えてはくれなかった。見えないように、聞こえないように、大切にをしまっておこうとする。何も知らない。身の回りで起こっていることさえ知らない。村が日に日に疲弊していく様も、村から働き手の男達が消えていく事も、自分が丘の上に住んでいる理由も。
 戦争、何度も心の中で反芻すると、苦い味がする。バドルは片足で戦争に行ったという。
「この国は、ずっと戦争しているんだね」
 当たり前のことを初めて口にした。が生まれるずっと前から、彼らの住む国は戦争を糧として成り立っている。戦乱のただ中に生まれて、奇跡的に戦争を知らずに育ったは、口元を歪めて肩を震わせた少年を見た。初対面で見た意志の強い目が今にも燃え上がりそうに滾っている。その炎の正体は何か、行き場のない憤りはには到底受け入れられるものではない。
「昨日、知らない大人が来て、からっぽの大きな箱と、一通の手紙をおいていったんだ」
 奥歯を噛み締める音。堪らずに瞼を閉じると視界が真っ白に埋め尽くされた。大きな箱に入っていた剣を抱いてシンドバッドの母親は泣き崩れた。母親の周囲は涙の膜で覆われてしまい、小さな少年に出来ることは、ただ抱きしめることだけだった。一晩明けても悲しみは引いていくことはなく、このまま洪水に押し流されてしまうのではないかと不安になった。衝動的に家から飛び出し、気が付けばいつもの浜に出ていた。習慣とは恐ろしいものだ。そのまま慣れた動作で視線を巡らせると、いつもと変わらない定位置に少女が座っている。横顔から伺える表情にも変化がなく、少女の目はガラス玉で、海の色を写している。
 その瞬間、腹の中に黒い靄が溜まっていった。
 自分の日常はあっけなく崩れ去って、母親は冷たい水の底に沈んでいるというのに、どうしてあの少女だけは何も変わらないのか。海にも溺れない安全な場所でのうのうとしていられるのか。自分の父親と過ごした綺麗な思い出だけを切り取って白いままでいるのか。
 自分勝手な嫉妬だった。少女にはなんの罪もないことを知りながら、無性にその存在に腹が立ち、衝動を抑えきれないまま、少女の前に立った。幼子の中に留めておくには大きすぎる、体中を渦巻くありったけの辛い感情を、どこかにぶつけてしまいたかったのだ。
 そして――
「ごめんね」
 間近で少女の目を見た瞬間に、シンドバッドは愕然とした。
 冷や水を浴びせられた気分だった。
「何にも知らなかった」
 ああ。シンドバッドは不覚にも泣きそうになっていた。
 父親が好きだといっていた少女の笑顔が想像できない。
 人形のように真っ白だと聞いていた肌は酷い日差しにあてられて赤く焼けている。少女によく似合うのだという白いワンピースが飾り気のない黒に替わったのはいつからだったか。何も知らなかったと言う少女の目が揺らいでいること。手に握られている白い花の意味。
 何も知らなかったのはどちらの方だろう。
 シンドバッドの目から温かいものが零れ落ちた。その横では海を眺め、小さく歌を口ずさんだ。波の音を縫うように囁くような声だった。互いに膝を抱えて丸くなり、少年は耳を済まし、少女は目を凝らした。薄雲の合間に顔を出した太陽が寄り添う二人を包み、の手の中の花は元気なく頭を垂れている。
 歌が終わる頃、少年は目を擦りながら少女を見た。その横顔はいつもと変わらないまま。
「今の、なんていう歌?」
「鎮魂歌」
「…えーと、なんだって?」
「みんなが安らかでいられますように」
 みんなというのは、バドルおじさんもシンドバッドも、君のお母さんも、それから、わたしも。
 初めて聴く歌だった。自分にも向けられたものだと知ると、途端にくすぐったい気持ちになり、数分前に抱いた浅はかな嫉妬心が情けなくなる。
「ありがとう…父ちゃんも喜ぶと思う。よくわからないけどさ、
 …その、って、あんまり歌うまくないんだね」
「はあ?!」
「ひっ!だ、だって母ちゃんの子守唄のほうがよっぽどじょうずだもん…」
「はあ?!大人と子供をくらべないでよね、ばかばかこのマザコン」
「ま、まざ…なんだって?」
「なんでもない。わ、わたしだって大きくなればもっと上手に歌えるようになるもの…たぶん」
「…ごめん」
 いいよ、もう…、は手にした花のように萎れて項垂れた。いつも歌う時は一人だから、つい癖で歌ってしまったのだ、人に聴かせられるものではないことくらいわかっているもの、と言う声は拗ねている様だった。
?」
 気を悪くしたのだろうか、不意打ちで立ち上がったはシンドバッドの横を通り抜け、裸足のまま歩き出した。
 歩く少女を初めて目にしたシンドバッドは、想像とは違い、しっかりとした足取りで歩む後姿を呆然と眺め、潮風が黒いスカートを弄びの足にまとわりつき、そこから覗く細い2本の足が歩行する為に問題なく機能していることに安堵した。
 我に返ったシンドバッドが追いついた時、は波打ち際の縁に立っていた。横に並ぶ姿を確認すると、萎れた花を海に投げ入れ、押し寄せて来た波はあっという間に花を連れ去っていった。
 白い花が見えなくなるまで二人は無言で立ち尽くし、再び意識が戻ってきた時、二人の手はどちらからともなく繋がれていた。
「バドルおじさんは、家族といる時間がたまらなく幸せだっていってたよ。家族をまもるためなら、なんでもするんだって」
「父ちゃんは僕たちをまもるために戦争にいったんだ」
 の知るバドルという男は最初から最後まで幸福であった。片足がなくなった過去も含めてバドルの生涯は幸せであったのだと信じたい。不幸ばかりではなかったと、絶望ではなかったと、バドルの笑顔を思い出すだけで、確かに頷くことができる。
「父ちゃんに強くなれっていわれた。これからは僕が母ちゃんをまもらなければいけないから」
「うん」
「父ちゃんみたいに強くなれるかな」
「うん。君は、バドルおじさんにそっくりだもの」
「ほんとか?!」
「うん」
 屈託のない笑顔がバドルにそっくりだった。父親似なのだろう、穏やかな雰囲気、正義感に溢れた強い眼差し。繋いだ手はのものと同じくらい小さくて、バドルの体温より少し高い。
 真っ直ぐで素直な少年だと思った。彼の目は嘘を語らない。感情を包み隠さないので真実を隠そうとする大人達より余程安心できる。その反面、じっと見つめられるだけで自分の嫌な部分まで見透かされてしまう気分になって落ち着かない。好奇心も強いのだろう、出会ってからずっと真っ直ぐにを見てくるので、お陰では視線の圧力に耐えるために正面の海を眺めてばかりだった。
「僕は父ちゃんみたいに、強くてりっぱな船乗りになるのが夢なんだ。そして自由に世界を飛びまわってみんなが幸せに暮らせる場所をみつけてやる!は?」
「え?」
 シンドバッドは真っ直ぐにを見据えた。数分前まで目を真っ赤にしていた少年はもうそこには居らず、は居心地の悪さに視線を落とした。

は自由になったら、何がしたい?」

 堪らずにその場にしゃがみ込んだ。引きずられるように腰を落としたシンドバッドが慌てての名前を呼ぶと、力無く眉を下げ、やんわりとかぶりを振った。
「おなじことを、バドルおじさんにもきかれたよ。ほんとうにそっくりな親子だね」
「父ちゃんが?」
 バドルがに『自由とはなにか』と尋ねたことは昨日の出来事のように思い出せる。
 示し合わせたように繰り返された問いに答える自分自身には何か変化があっただろうか。は胸の奥から込みあげる熱の正体がようやく分かった気がした。
「他の子達みたいに走り回ってみたい。何も気にせずに自由に一日中遊び回ってみたい。海を泳いでみたい。ずうっと遠く、あの地平線のところまで」
 シンドバッドは目をまんまるにしてを凝視した。眉が下がったままの少女は困り顔。
 は走ったことがないの?5歳になったばかりの子供は恥ずかしそうに俯いた。君に比べたらびっくりするくらいささやかな夢でしょう。
「…決めた」
 シンドバッドはの両手を取って立ち上がった。勢いよく引っ張り上げられて驚くににこりと笑顔を向ける。
「僕、父ちゃんの代わりにを幸せにする!きっと父ちゃんならそう言うと思うんだ!」
「ええと?」
「だってってなんか放っておけないんだもの。父ちゃんがのことを教えてくれたのはきっと僕にを託そうとしたからだ。僕が父ちゃんのいしをついで、の夢を叶えてあげるよ。誰にも負けないくらいに強くなって、母ちゃんと一緒に君もまもる!」
 いつの間にか潮が満ちてきて、さざ波が二人の足下まで押し寄せてくる。冷たい水が、砂の中に沈んでばかりだったの足をさらっていく。思い詰めていた気持ちもまとめて引っ張り込もうとしている気がして、だから思わずシンドバッドの手を握り返してしまったのだ。
 シンドバッドは満面の笑みを浮かべてを包み込んだ。
「だからさ、僕たち、友達になれないかな?」
 息子の友達になって欲しい、と言った時のバドルの表情を思い出す。今日は思い出してばかりだ。今日どころかここのところずっと、思い出に耽ってばかり。
 少女は必死に二つの足を踏ん張って押し寄せる波に耐えた。傍らにあるもう二つの足を標にして、顔を上げる。ガラス玉の目はほんのり湿って、青い色が滲んでいる。
「もう一つあるんだ。あのね、雪が降る大陸にいってみたい」
 前を向いていなければならない。知らないものは知らなければいけない。見えないふりをするのは、知らないままでいるよりもずっと苦しいから。前を向いてもいいのだ。その為の切欠なら充分すぎるほどバドルが与えてくれた。
 そして、シンドバッドが手を引いて歩いてくれる。

「うん、一緒にいこう」

 は眩しそうに天を仰いで、表情を緩めた。バドルが好きだといった笑い方がわからない。風が優しくの髪を撫でていく。最後に交わした言葉がずっと心にとどまっている。
 ずっと安らかでいられるように―――

「…ねえ、バドルおじさんは、星になったんだね」







 シンドバッドに出会った翌日。

 は生まれて初めて海に飛び込んだ。
 全身を水の重みに委ねて、ゆっくりと水中に沈んでいく息苦しさを感じながら、
その時ようやく、声を上げて泣くことが出来た。

 水の中でぼんやりと見えた景色は、まるで空が降ってくる様だった。


   And the sky is falling


2014.01.04